糖尿病原因

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「糖尿病の原因」 糖尿病の4つのタイプとその原因について解説

公開日
更新日

 
執筆:井上 愛子(保健師、看護師)
医療監修:株式会社 とらうべ
 
 
「糖尿病の原因」には、食事バランスの偏りや運動不足など、生活習慣の乱れが大きく関わります。
 
国内の糖尿病患者と糖尿病予備軍を合わせると、その数2,050万人。
 
日本人の5人に1人が該当する今、糖尿病のリスクは決して他人事ではありません。
 
この記事では、糖尿病全般について説明し、更に糖尿病の原因について詳しく説明します。
 
 

糖尿病の重要なファクター「血糖」とは

 
血液中のブドウ糖の濃度が「血糖値」です。
 
ヒトは身体全体で約6兆個の細胞をもっていますが、その一つひとつに、糖を燃焼してエネルギーをつくって届ける働きが行われています。
 
その役目を果たすのが「血糖」です。
 
そのさい、身体は血糖値を調節しながら生命活動を行っています。
 
ですから、一日の中で血糖値はつねに変動しています。とくに食事は変動に大きな影響を与えます。
 
また、睡眠や運動などの生活習慣によっても変化が起こります。健康であれば、変動があっても血糖値は一定の値に保たれるしくみになっています。
 
こうした血糖値の調節に関わっているのが、すい臓で分泌されるインスリンとグルカゴンというホルモンです。
 
インスリンには血糖値を低下させ、グルカゴンには血糖値を上昇させる働きがあります。
 
具体的にいうと、食事をとると血液中の糖が増え、血糖値が上がり、1~2時間後に血糖値のピークを迎えます。そして、血糖値が上がってすい臓からインスリンが分泌されると、過剰なブドウ糖は血液の中から細胞に取り込まれます。
 
それが一部は活動するちから(エネルギー)に利用され、残りは肝臓や筋肉がブドウ糖をグリコーゲンという貯蔵しやすい形に変えて蓄えられます。

 
さらに、あまったブドウ糖は脂肪に変えられ、脂肪細胞に蓄えられます。
 
このようにして血糖値は下がります。一方、血糖値が下がると、グルカゴンというホルモンが膵臓(すいぞう)から分泌されます。
 
すると、肝臓に貯蔵されていたグリコーゲンがブドウ糖へと変わり、血液中にこのブドウ糖を放出して、血糖値を上昇させます。
 
こうして、グルカゴンとインスリンが働くことで、身体の中の血糖値は一定になるよう保たれるのです。
 
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糖尿病の原因 :糖代謝のメカニズム異常

 
そもそも糖尿病とは、慢性的に血糖値が高くなり、身体にさまざまな障害を引き起こす病気です。
 
ふだん私たちが食事をすると、食べたものは体内で分解され、身体の組織を作るもとになったり、動くための動力源になったりします。
 
栄養にはそれぞれ役割がある中で、ごはんやパン、麺類などの炭水化物は、胃や腸で分解されてブドウ糖になり、血液に吸収されて肝臓に送られた後、身体中へと運ばれエネルギーになります。
 
このような身体の中で起こる炭水化物の変化を「糖代謝」といいます。
 
通常、糖代謝をコントロールしているのは、膵臓から分泌されるホルモン「インスリン」です。
 
食事をして、一時的に血液を流れる血糖の値が上がると、インスリンが出され、ブドウ糖が身体の組織に運ばれて使われることで、血糖の値も下がり、血糖値は適切にコントロールされているのです。
 
しかし、この働きが悪くなったり、分泌量が減ったりすると、糖代謝のメカニズムがうまく機能しない状態になります。
 
そして、その結果、慢性的に血糖値が高くなった状態が「糖尿病」です。
 
さらに、正しく分泌されずに血糖値が高いままになると、身体の細胞はブドウ糖を受け取ることができないので、「足りていない」と判断してしまいます。
 
そうなると、身体は肝臓や脂肪組織に蓄えていたグリコーゲンや中性脂肪をブドウ糖に分解し、血液中に送り出してしまうため、ますます高血糖の状態が続く、という悪循環に陥ることもあります。
 
 

糖尿病の原因:タイプによる違い

 
糖尿病は大きく、1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病、その他の糖尿病、の4つのタイプに分けられ、慢性的に血糖値が上がる原因が大きくことなります。
 
それぞれの原因や特徴を順にみていきましょう。
 

1型糖尿病

 
膵臓のβ細胞が壊されて、インスリンが分泌されないため、インスリンの絶対量が不足することが原因で起こる糖尿病。30歳未満の若い人や子どもが発症するケースが多い。
 
原因は免疫機能が身体の細胞を誤って攻撃してしまう、自己免疫反応と考えられているが、詳しいメカニズムはまだはっきりしていない。全糖尿病患者の3~5%が当てはまる。
 
 

2型糖尿病

 
一般的に「糖尿病」と呼ばれているもので、全体の90%以上を占める。偏った生活習慣が積み重なった結果、インスリンの働きが悪くなったり、分泌量が少なったりすることで発症する場合が多い。
 
 

妊娠糖尿病

 
妊娠がきっかけで発症したり、見つかったりする糖尿病。妊娠中に胎盤から出るホルモンが、インスリンの作用を弱めることが原因。出産後は治るケースがほとんどだが、安産のためには、適切に血糖値をコントロールすることが必要になる。
 
 

その他の糖尿病

 
遺伝子異常や、慢性膵炎、膵臓がん、バセドウ病など、他の病気や薬物などが原因で発症する糖尿病。二次性糖尿病とも呼ばれる。
 
 

圧倒的に多い2型糖尿病

 
4つのタイプの糖尿病の中で、2型糖尿病は日本人の糖尿病患者数の90%以上を占めています。

 
さらに、その数は増加傾向にあり、現在の日本の糖尿病患者数は、50年前の35倍とも言われているのです。
 
このような現状に至った理由の一つには、もともと日本人は欧米人と比較し、インスリンを分泌する能力が半分ほどしかないという遺伝的要因があります。
 
歴史を遡ると、農業で生計をたて、穀類や野菜中心の食事をとってきた日本人に対して、狩猟を行い肉類中心の食事をしてきた欧米人は、膵臓が強くインスリンが多く分泌されると言われます。
 
実際に、BMI25%以上の肥満者が全国民の7割以上を占めるアメリカと、2割程度の日本の糖尿病有病率は、アメリカ8.0%、日本7.4%とほとんど変わりません。
 
欧米人は肥満であることがすぐに糖尿病と結びつくわけではありませんが、日本人はインスリン分泌能力がもともと半分であるため、少し太るだけでも糖尿病のリスクが高まります。
 
近年、日本の食生活は欧米化がすすみ、脂肪やたんぱく質をこれまでよりも取り過ぎる傾向にあります。また、交通の利便性が向上し身体を動かす機会が減ったこともあり、肥満になる人も増加しています。
 
遺伝的要因に加えて、「脂っこいものばかり食べている」「運動をしなくなった」といった環境の要因、つまり、ライフスタイルの変化が糖尿病の発症に深く関わっています。
 
 

ストレスと糖尿病との関係

 
29~66歳のドイツ在住の労働者5337人を対象にしたドイツのミュンヘン ヘルムホルツ センターの調査によれば、職場で過大な仕事を要求されて強いプレッシャーを感じている人では、そうでない人に比べ、2型糖尿病を発症するリスクが45%上昇することが明らかになっています。
  
また、「ストレス」というと、仕事や人間関係などの精神的なストレスだけを思い浮かべがちですが、寒さや痛みなどの身体的ストレスや、大気汚染、騒音、食品に含まれる添加物の増加、OA機器の多用など物理的・化学的ストレスなどが、私たちの身の回りにはさまざまなストレスがあります。
 
このストレスが、従来は「肥満」や「運動不足」、「食生活」などの生活スタイルが原因とされてきた糖尿病に、大きな影響を及ぼしていることもわかってきました。
 
過度の精神的・物理的ストレスを受けた場合、脳の視床下部や下垂体から、抗ストレスホルモンを多量に分泌する指令が出ます。
 
すると交感神経が活発になりアドレナリンが分泌され、副腎皮質からもコルチゾールが分泌されます。
 
アドレナリンやコルチゾールは、ストレスに対抗できるよう、血糖値を高めて体を活動的な状態にします。
 
その結果、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの働きや分泌が抑制され、血糖値が上がります。また、その他にも、血圧上昇、心拍数の増加、免疫力の低下なども起こり、さまざまな生活習慣病を引き起こしやすくなります。
 
また、ストレスが加わることで、精神状態が悪化し、不安が増し、気が滅入ることによって、過食や飲酒が増えがちになります。
 
そうなるとストレスがさらに増し、血糖値が上昇するという悪循環に陥ってしまいます。
 
ストレスによって引き起こされる病気としては、精神疾患だけであると考えがちですが、糖尿病のような慢性疾患にも影響を与えます。
 
ストレスによって、糖尿病のリスクが上昇するのを防ぐために、自分なりのストレス解消法を持っておくと良いでしょう。
 
 

正しい理解と適切な対策を

 
糖尿病の予防をめざす上で、1型糖尿病や妊娠・その他の病気による糖尿病、また、遺伝要因が強く関わっているものなどは、事前策を講じることが難しい場合もあります。
 
しかし、大半を占める2型糖尿病は、日常生活の習慣に配慮することで、予防ができます。
 
発症しやすい環境の要因としては、先に述べた肥満や食事の偏り、運動不足のほかに、ストレスや喫煙なども関与すると考えられています。
 
健康診断で「血糖値が高い」と指摘される前に、ライフスタイルを見直し、糖尿病を招きやすい行動を少しずつ変えていきましょう。
 
 

糖尿病の合併症

 
糖尿病は初期には自覚される症状がほとんどないので、血糖値が高い状態が長年続くことによって、合併症につながります。
 
その合併症が糖尿病の恐ろしいところです。糖尿病の合併症は、細小血管障害と大血管障害とに分類されます。
 

細小血管障害

高血糖状態が長期間続くことで、身体の中の細かい血管が傷つき、血管がボロボロになり、血流も悪くなります。
 
とくに、細かい血管の集合しているところに合併症は起こります。なかでも、眼の網膜、腎臓、神経などに出る合併症として、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害がよく知られます。
 
これらは糖尿病の三大合併症です。
 

糖尿病性網膜症

 
網膜は眼の奥に広がっている膜状の薄い組織のことです。網膜には、光や色を感じるための神経細胞や細い血管が多数存在しています。
 
血糖値の高い状態が続くと、細い血管は傷つけられ、血管の変形や詰まりが起こります。
 
血管が詰まると酸素がうまく行き渡らず、酸欠状態を引き起こします。それがひいては、新しい血管をつくり、酸素を補います(新生血管)。
 
しかし、この新生血管はもろく、出血を起こしやすいのです。糖尿病性網膜症は重症化すると、視力障害をきたし、悪くすると失明にいたります。
 

糖尿病性腎症

 
糖尿病によって血糖値が高い状態が続くことで、腎臓の機能が低下する病気です。腎臓には老廃物をろ過する働きがあります。また、老廃物を尿として排泄することも行っています。
 
この機能が十分でないと、身体の中に老廃物が滞った状態となります。
 
腎臓の機能が低下していくと、最終的には腎不全となり、血液から老廃物を取り除く透析治療が必要になります。
 
 

糖尿病性神経障害

 
糖尿病で血糖値が上がると、身体中に広がっている末梢神経の働きが低下してしまいます。
 
末梢神経には、痛みなどを感じる神経、筋肉を動かす神経、 内臓の働きや体温調節に関わる神経があって、これらの神経の働きが低下するために全身に症状が現れてきます。糖尿病の初期から手足のしびれなどの自覚症状が出るケースも発症します。
 

大血管障害

 
大血管障害は、血管が詰まったり固くなったりして、柔軟性や弾力性を失った状態である動脈硬化に由来する合併症です。
 
糖尿病だけに合併するわけではありませんが、糖尿病があることで、血管の障害が起こり、動脈硬化の進行を早めます。
 
このことから、糖尿病になると、心臓の血管が詰まる心筋梗塞や脳の血管が詰まることで起こる脳梗塞が起こりやすくなります。
 
 

糖尿病の検査項目と検査方法

 
糖尿病の検査では、1回目に基準値を超えたものを糖尿病型、正常範囲の場合は正常型、どちらにも属さないものを境界型と判定します。
 
下記のイ、ウ、エの検査項目で糖尿病型と判定された場合、別の日にもう一度糖尿病型となると、糖尿病と診断されます。
 
また、イ、ウ、エの検査で糖尿病型と判定され、アの基準値を超えた場合も糖尿病と診断されます。
 

HbA1c

過去1~2か月の推定平均血糖値をあらわすものです。国際基準(NGSP)値の場合、6.5%以上で糖尿病と判定します。
 

早朝空腹時血糖値

採血当日の朝食をとらずに血糖値を測定する方法です。早朝空腹時血糖値126mg/dl以上で糖尿病型と判定されます。
 

75gOGTT

採血当日の朝まで10時間以上絶食にしたまま検査を行います。水にブドウ糖を75g溶かした糖溶液を飲み、30分後、1時間後、2時間後のそれぞれ、血糖値が測定されます。200mg/dlを超えると、糖尿病型と判定します。
 

随時血糖値

食事あとの決まった時間ではなく、随時、採血を行い血糖値を測定します。この随時血糖値は200mg/dlを超えると糖尿病型と判定されます。
 
 

糖尿病の治療は、食事療法と運動療法が基本

 
>糖尿病の治療は、食事療法、運動療法が基本となります。
 

食事療法

 
食事療法はすべての糖尿病患者に必要な治療法です。
 
食事療法の目的は、血糖コントロールを良好にすることと、肥満がある場合には適正体重を維持することです。食事療法というと辛い制限をイメージされることが多いですが、健康のための基礎となる食事法です。

 
そのポイントを紹介します。
 
(1)適切な食事量
 
性別、年齢、身体活動量、体重、血糖値、そして合併症があるかどうか、などを考慮し決定します。
 
適正エネルギー量は個々で異なりますので、医師から指示された場合にはそれに従います。
 
〇適正エネルギー量の計算方法
 
適正エネルギー量={身長(m)×身長(m)×22}(=標準体重)×身体活動量係数(※)
 
 
※身体活動量係数
25~30:デスクワークが中心の仕事であったり家事など軽い労作の人
30~35:立ち仕事が多い職業など普通の労作の人
35~ :力仕事など重労作の人
 
例えば、170cmデスクワークの場合、1.7×1.7×22×25=1589.5という計算式から、おおよそ1600Kcalが適正エネルギー量となります。
 
 
(2)バランスのとれた食事
 
5大栄養素である炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラルをバランス良く摂ります。
 
普段の食事で含まれる栄養素を知ることは難しいですが、自分がよく食べる食品がどれに当てはまるかを覚えましょう。
 
主食、主菜、副菜をそろえることがバランスを良くする簡単な方法です。
  
 
(3)1日3回食事をする
 
空腹時間が長くなると、血糖値の急上昇や栄養素の吸収率を上げる要因になります。食事は1日3回、できるだけ決まった時間に摂りましょう。
 
 
(4)食物繊維を積極的にとる
 
食物繊維は糖質が消化管を通るスピードをゆっくりにし、血糖値の急上昇を抑えて食後高血糖の改善に働きます。
 
精製度の低い穀物である玄米や胚芽米、ライ麦なども食物繊維が豊富です。また、食物繊維が豊富な野菜、海藻、きのこは1日350g以上を目標に摂取します。これらを糖質より先に食べると、さらに効果的です。果物は糖質を含むため、1日100g程度にとどめます。
 
これらは基本となる食事方法ですが、生活習慣や処方薬との兼ね合い、合併症の進行具合などによって食事のポイントは異なります。
 
主治医や管理栄養士に相談しながら、自分に合った食事方法を実践していきましょう。

 
 

運動療法

 
糖尿病は運動不足によっても起こります。運動を行うことで、減量効果があることのほかに、インスリンの効きを改善することや、筋肉が糖を取り込み、血糖値を低下させる働きをするといった効果があります。歩くなどの有酸素運動が推奨されています。
 
 

糖尿病の薬物療法

 
糖尿病の治療は、食事療法と運動療法が基本となります。そのため、これらの方法で上手くいかない場合に、薬物療法が取り入れられます。
 
薬を使用し始めても、基本の食事療法と運動療法を続けることで、薬の効果が期待できます。
 
ただし、薬には副作用があります。
 
とくに血糖値を下げる作用が効き過ぎることで起こる「低血糖」には注意しなければいけません。
 
低血糖になると、強い空腹感、冷や汗、震え、脱力感、動悸、頭痛などが起こります。さらに血糖値が下がりすぎると、意識障害、けいれんなどを引き起こすこともあります。
 
薬をいつも通り使用していても、体調などで低血糖が起こりやすくなることもあるため、自分の薬の作用を知り、生活をすることが重要となります。
 
薬物療法は注射薬と経口薬に分けられます。その種類を見ていきましょう。
 
 

注射薬

 
(1)インスリン製剤
 
身体の外からインスリンを直接注射して補います。お腹、太もも、二の腕などに自分で注射をします。

 
短く細い針なので難しい手技ではありません。
 
打つタイミングや量が血糖値に大きく影響するため、用法用量をきちんと守ることが大切です。

 
 
(2)GLP-1受容体作動薬
 
体内のインスリン分泌を促す作用があります。
 
それに加え、胃から小腸への食べ物の移動を遅らせ血糖の上昇を緩やかにするのも特徴です。
 
 

経口薬

 
それぞれ次のような特徴があります。
 
(1)DPP-4阻害薬
 
食事をして血糖値が上昇するときだけインスリンの分泌を促進させます。副作用が少なく、日本で最も多く処方されています。
 
 
(2)α-グルコシダーゼ阻害薬
 
小腸に作用し、食べ物に含まれる糖質がブドウ糖に分解される速度を遅くします。
 
ブドウ糖が吸収される時間が長くなるため、食後の急激な血糖値の上昇を抑えます。
 
毎食直前に飲む必要があります。副作用でお腹の張り、放屁、便秘などが起こる可能性があります。
 
 
(3)SGLT2阻害薬
 
腎臓に作用して、血液中のブドウ糖を尿中に排出させることで血糖値を下げます。
 
脱水や尿路感染などの副作用が起こることがあります。
 
 
(4)速効型インスリン分泌促進薬
 
膵臓を刺激して、インスリン分泌を促進させます。服薬後短い時間でインスリンが分泌されるため、食直前に飲む必要があります。
 
食後のインスリン分泌を正常なパターンに近づけるように働きます。副作用として低血糖には注意が必要です。

 
 
(5)スルホニル尿素薬
 
膵臓を刺激して、インスリン分泌を促進させます。血糖値が高い場合でも低い場合でも、同じように働くので、副作用として低血糖を起こすことがあります。
 
 
(6)チアゾリジン薬
 
肥満があると、インスリンの効きを悪くしてしまいます。この薬は脂肪細胞に働きかけ、脂肪組織の質を変え、インスリンの効きを良くします。
 
体液貯留を促すため、副作用として浮腫が起こることがあります。
 
 
(7)ビグアナイド薬
 
糖尿病のある人は、肝臓からのブドウ糖放出が過剰になり、血糖値が高くなってしまう場合があります。
 
これを抑制することで血糖値を下げます。また、インスリンが効きにくくなる「インスリン抵抗性」を改善する作用があります。
 
まれに、吐き気や腹痛、倦怠感などの副作用が起こります。
 
 
これらの作用の違う薬剤を状態に合わせて組み合わせて使用することで、効果的に血糖をコントロールすることができます。

 
 

糖尿病の予防

 
糖尿病は肥満、食べ過ぎ、ストレスや運動不足などの生活習慣が誘因となって発症します。食事は食べ過ぎを防ぎ、バランスよくとることが必要です。また、肥満を防ぐために油のとり過ぎにも注意しましょう。
 
運動面では、運動習慣を日頃からつけるようにしましょう。糖をうまく代謝させるためには、歩く、軽いジョギング、自転車などの有酸素運動を積極的にとりいれましょう。
 
また、ストレスも糖尿病の引き金になりますので、ゆっくり休養をとり、睡眠はしっかりととるように心がけることが大切です。
 
 

まとめ

 

  • ・糖尿病は、糖代謝のメカニズム異常によって起こる
  •  

  • ・血糖値は膵臓から分泌されるホルモン「インスリン」により調節される
  •  

  • ・糖尿病は、1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病、その他の糖尿病に大別される
  •  

  • ・2型糖尿病は日本人の全糖尿病患者の90%以上を占める
  •  

  • ・日本人は、遺伝的要因として欧米人よりもインスリン分泌量が少ない
  •  

  • ・環境要因として、食事や運動など生活習慣の変化も糖尿病に大きく関与する
  •  

  • ・2型糖尿病を予防するためには日頃の生活習慣の見直しが肝心

 
 
<執筆者プロフィール>
井上 愛子(いのうえ・あいこ)
保健師、助産師、看護師、保育士。株式会社とらうべ社員、産業保健(働く人の健康管理)のベテラン
 
<監修者プロフィール>
株式会社とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
 
 

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◆Mocosuku運営の姉妹サイト
 
「血糖値の正常値 とはどれくらい? 血糖値が“高い” “低い”でどんな影響が?」
 
◆糖尿病についてコンパクトにわかりやすく説明した動画
 

 

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